2008.04.14(月)
ナスカに到着したのは13日の夕方。
ここでやることは有名な地上絵をセスナに乗って上空から見る事だ。
そして14日の朝、0930時にホテルを出て空港に向かう。
市内でツアーを取るより、直接空港に行って取った方が安くつくと聞いているからだ。
それにもう一つ注意しなければいけない事がある。
9日に遊覧飛行をしたセスナ機が墜落してフランス人観光客が5名死亡するという事件が起こっていたのだ。
その会社はアエロ・イカと有名な会社だったがそれでも墜落事故が起きているのである・・・
一応「歩き方」に乗っている会社は他に最大手のアエロ・コンドル、そしてアエロ・パラカスというのがあるが・・・
とりあえず、イカは避ける。最大手のコンドルが第一希望だが料金が高いのならパラカス。それ以外の弱小会社は整備に不安を抱えてしまうので・・・
それに市内の代理店で頼むと航空会社を選べないとも聞いている。
空港に行ってこの2社をあたるのが最善の策だろう・・・
なによりも私はチキン(臆病)である。
フライトせずに地上絵が見れるなら迷わずフライトなんかしないのだが、これ以外に手段はない。
そうなれば「セキュリティー・ファースト(安全第一)」にするしかない・・・
タクシーは10分もかからずに空港に到着、ターミナルがあると思っていたが道路沿いに航空会社が並びその向こうに滑走路があるだけでとくにまとまったターミナルは無かった。
タクシーは「アエロ・パラカス」前につけ「ここがいいぞ」と言ってくる。
なんてことはない、ただこのドライバーとこのオフィスで連帯しているだけなのだ・・・
ただ、とりあえず探りを入れるという意味で値段を聞いてみる。
ナスカのみで35分のフライト、料金は55ドル・・・
ガイドブックにあるオフシーズン料金は35ドルと書いてある。
ちょっと高めの設定だ・・・
それに私が先日リマであったバックパッカーが「エアロ・コンドル」で40ドルでナスカのみのフライトが出来たと聞いている。
彼女は最初50か55ドルと言われたが、じゃあ他をあたるといったら値段がすぐにさがったそうだ。
私もこれはと思い、取り敢えずそこを出るとガイドが話しかけてくる。
「日本人?安いフライトあるよ!!」
片言だが十分に通じる・・・
ただ、こういった観光地で日本語を片言で操る人間は要注意というのが鉄則だ。
私は警戒しながらも話を聞くことにする・・・
そしてつれていかれたのは・・・
「アエロ・パラカス・・・??」
あれっ?さっきいたのはどこ??
もう一度良く看板を見てみると・・・
「AERO PALCAZU(アエロ・パルカス)・・・」
ガイドブックにある本物の・・・さっきいた場所の航空会社は・・・
「AERO PARACAS(アエロ・パラカス)・・・」
の筈だが・・・
という事は・・・
「お前ら、名前からしてパクッているじゃねぇ~!!」
「うっ胡散臭ぇ~・・・!!」
とはいいつつ話を聞くと6人乗りのセスナで後一人だけ乗客を探しているとのことだ、そしてナスカだけでなく、もう一つのパルパ(ナスカの北の町にまた別の地上絵がある)も含めて55分のフライトで40ドルでいいと破格だ!(ガイドブックには85ドルとかいてあったが)
しかし・・・
墜落事故のこともあるし・・・
ここは最大手のアエロコンドルを・・・
ガイドは一応は引き止めたもののそれほどしつこくは無い。
私はアエロコンドルのオフィスへ向かう。
そして、ナスカのみのフライトの料金を確認すると・・・55ドル・・・
でも、ここでさっと引き上げれば・・・
受付が慌てて私に声を掛けて・・・
来ない・・・
リマであった旅行者はこの手段で首尾よく値下げした筈なのだが・・・
オフィスを出てまた戻る、戻りながら他の航空会社をと思っているとエアロ・パルカスの客引きがバイクに乗って迎えに来る・・・
40ドルだし・・・
それもパルパ込みだし・・・
それにアエロコンドルは値下げしてくれないし・・・(涙)
もうどうでもいい。
「ここに決めた!!」
そもそも事故なんてめったに起きる物でもない。多分大丈夫だろう・・・
例え名前をパクッた会社でも・・・
私は料金を支払い、しばし待機する・・・
そして1030時、フライト前にルート等の説明が・・・
なぜかナビゲーターが片言の日本語で・・・!!
「うーん、中々に侮れん・・・!!」
乗ったセスナ
コクピット・ちなみにパイロット(左)にナビゲーター(右)がついていた
セスナは順調に高度を上げる
上空から見たナスカ市とナスカ上空にて
そしてナスカの地上絵、それにパルパの地上絵を、きちんと急旋回を繰り返しながら左右両側の座席から漏れなく見れるようにしながら・・・
ナスカの地上絵(一部)
パルパの地上絵(一部)
上空高い所なので想像していた程大きくは見えなかったことと、それに速度もあるので私のカメラではなかなかシャッターチャンスが上手くいかず、また大きく撮れなかったこともあるけれど・・・
それに急旋回をしょっちゅう繰り返し、機体は最大80度ぐらいまで傾けていたので微妙に気持ちが悪くなったこともあるが・・・
言っていた内容と実際のフライト・・・
特に誤魔化しも無く、十分に満足のいく内容であった・・・
そして着陸後にはきれいな写真付の「ナスカ上空飛行証明証」までつけてくれて・・・
40ドルでナスカとパルパが見れたのはたまたまの幸運でしかないが・・・
それでも私はこう言いたい・・・
「AERO PALCAZU」
この会社。
ただの「偽物」では無かったと・・・
ナスカ上空の戦い(ナスカ:ペルー)
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